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専門医が答えるAGA治療をいつから始めるかという疑問
日々の診療の中で患者様から最も多く寄せられる質問の一つに、AGA治療を一体いつから開始するのが医学的に見てベストなのかというものがありますが、結論から申し上げますと、AGAの疑いを持ったその日が最も治療効果を最大化できる開始日であると断言できます。AGA、すなわち男性型脱毛症は、男性ホルモンの影響によって髪の毛の成長期が極端に短くなる進行性の疾患であり、一度発症すると自然に治癒することはなく、放置すれば確実に薄毛の範囲は広がっていくため、いかに早い段階でその進行をブロックし、ヘアサイクルを正常化させるかが治療の成否を分ける鍵となります。医学的な統計データによれば、20代から30代にかけての比較的若い世代での発症が急増しており、本人が「いつからか生え際が後退してきた」「頭頂部のボリュームがなくなってきた」と自覚した時点で、実はすでに毛包内では微細な変化が数年前から進行していることが示唆されています。我々専門医が診断の際に重視するのは、髪の毛の本数そのものよりも一本一本の太さやハリの減少であり、これらは顕微鏡を使ったデジタルスコープ検査で一目瞭然となりますが、患者様自身でも「昔の写真と比べておでこが広くなった」「髪をセットしてもすぐに潰れてしまう」といった変化を感じたら、それはすでに治療の適応期に入っていると考えて間違いありません。治療を開始する時期が遅れれば遅れるほど、毛根を包む毛包自体が消失してしまい、どんなに強力な発毛薬を投与しても再び髪を生やすことが不可能な領域、いわゆる「手遅れ」の状態に近づいていくため、予防的な観点からも早めの介入が推奨されるのです。現代のAGA治療は非常に進化しており、初期段階であればフィナステリドのような内服薬一錠を毎日服用するだけで、進行をほぼ完璧に食い止め、さらには失われたボリュームを緩やかに取り戻すことが可能であり、その副作用のリスクも正しく管理すれば極めて低いものです。いつから始めるべきかと迷い、自己流の育毛剤やマッサージで時間を浪費することは、医学的な観点からは非常に勿体ない選択であり、最短距離で結果を出したいのであれば、迷わず専門機関の受診を検討していただきたいと思います。髪の毛は一度失ってしまうと取り戻すのに多大な労力と費用が必要となりますが、ある程度の密度が維持されているうちから手を打てば、その分だけ長く、そして安価に自分の髪を保ち続けることができるのです。