シャンプー後の排水溝に溜まる髪の毛を見て、ため息をつく。その原因を、ストレスや遺伝のせいだと諦めていませんか。しかし、その抜け毛、実は日々の「栄養不足」が引き起こしている、体からの重要なSOSサインかもしれません。私たちの体、そして髪の毛は、例外なく、私たちが毎日口にする食べ物から作られています。どんなに高価な育毛剤を外から与えても、髪の毛そのものを作り出すための材料が体内に不足していては、健康で力強い髪は育ちようがありません。髪は、しばしば「血の余り(けつよ)」と表現されます。これは東洋医学の言葉で、体に必要な栄養が満たされた後、その余った栄養が髪に回される、という意味です。つまり、栄養が不足している状態では、体は生命維持に不可欠な内臓などを優先するため、髪への栄養供給は真っ先に後回しにされてしまうのです。そのため、髪の状態は、現在のあなたの栄養状態を正直に映し出す、健康のバロメーターと言えます。髪が細くなってきた、ハリやコシがなくなった、そして抜け毛が増えてきた。これらの症状は、単なる髪の問題ではなく、あなたの体が栄養不足に陥っているという、紛れもない証拠なのです。逆に言えば、食生活を見直し、髪に必要な栄養素を意識的に摂取することで、体の内側から頭皮環境を整え、抜け毛を予防し、健やかな髪を育むことは十分に可能です。抜け毛という悩みを、単なるコンプレックスとして捉えるのではなく、自分自身の生活習慣と健康状態を見つめ直すための、大切なきっかけと捉えること。それが、根本的な問題解決への、最も確実で本質的な第一歩となるのです。