私が自分の髪の衰えを直視し、AGA治療を本格的に検討し始めたのは五十四歳の誕生日を迎えた直後でしたが、当時は「この年齢で髪に執着するのは恥ずかしいのではないか」という自意識や、「もう手遅れだろう」という諦めが混ざり合い、なかなか一歩を踏み出せずにいました。しかし、娘の結婚式を控え、少しでも若々しい父親として写真に残りたいという切実な願いが背中を押し、半信半疑のまま専門クリニックを受診したことが、私の第二の人生の幕開けとなりました。医師からは、五十代であっても毛母細胞が生きている限りチャンスはあると説明を受け、まずは副作用のリスクを慎重に見極めながら内服薬による治療をスタートしましたが、最初の三ヶ月ほどは目に見える変化がなく、やはり無駄だったのかと落胆しかけた時期もありました。ところが、半年を過ぎた頃から洗髪時の手触りに明らかな変化が現れ、以前はペタンとしていた髪の根元に力が宿り、地肌の白さが目立たなくなってきたのを鏡で確認した時の感動は言葉では言い表せません。最も驚いたのは周囲の反応で、久しぶりに会った同僚から「何だか最近若返ったな」と言われたり、妻から「以前より表情が明るくなった」と褒められたりと、髪が増えたこと以上に、自分に自信が戻ったことが周囲にも伝わっているようでした。五十代になると、体力の衰えやキャリアの終着点が見えてくることで精神的に守りに入りがちですが、髪の毛という目に見える部分を改善できたことは、自分自身の努力と現代医学の力で現状は変えられるのだという大きな自信になり、趣味の登山や新しい学びにも積極的になれるという副次的な効果もありました。治療費に関しても、以前のように無駄な育毛トニックを買い漁るより、月々決まった予算でクリニックに通う方が遥かに効率的で納得感があり、もっと早く、それこそ40代のうちから始めていれば良かったと思うこともありますが、それでも五十年以上連れ添った自分の体を労わり、今のベストな状態を目指す今の生活には非常に満足しています。もし同じように悩んでいる同世代の方がいるなら、年齢を理由に諦めるのはあまりにも勿体ないと伝えたいですし、一歩踏み出した先には想像以上に明るい毎日が待っていることを知ってほしいと思います。
私の体験談50代でAGA治療を始めて変わった毎日