私が自分の髪の異変に気づいたのは、還暦のお祝いを家族にしてもらった直後のことでしたが、鏡に映った自分の姿を見た時に、以前よりも分け目の地肌がはっきりと見え、全体のボリュームが寂しくなっている事実に強いショックを受けました。若い頃は髪が多くてまとめるのが大変なほどだったのに、いつの間にか一本一本が弱々しくなり、朝どんなに時間をかけてセットしても、外に出る頃にはペタンと潰れてしまう毎日に、女性としての自信が少しずつ削られていくような感覚を覚えました。同世代の友人と集まっても、つい相手の生え際や髪のツヤをチェックしてしまい、自分と比較しては溜息をつく日々が続きましたが、そんな私の背中を押してくれたのは、「今の自分を一番大切にしてあげて」という娘の言葉でした。そこから私は、隠すことばかりに必死になるのではなく、根本から髪を育てるための工夫を始め、まずは毎日使うシャンプーやトリートメントを、エイジングケアに特化した高品質なものへと一新しました。また、食生活でも納豆や豆腐などの大豆製品を積極的に摂り、髪の成長に必要なタンパク質を欠かさないように心がけたところ、数ヶ月が経つ頃には頭皮のベタつきが消え、髪に自然な立ち上がりが出るようになってきました。一番の変化は、髪の悩みを通じて自分の体と真剣に向き合うようになったことであり、不足していた栄養や睡眠、そして何より心の余裕がいかに大切かを痛感したことです。60代からの美しさは、完璧さを求めるのではなく、丁寧に自分を労わっているという清潔感や品の良さに宿るのだと気づいてからは、鏡を見るのも以前ほど怖くなくなりました。美容室でも、薄毛をカバーするカットの工夫や、頭皮を傷めない天然成分のカラーリングを相談するようになり、プロの力を借りることで、自分一人では解決できなかった不安も解消されていきました。今では、ウィッグなどもファッションの一部として楽しむ心の余裕も生まれ、髪の状態に一喜一憂するのではなく、今の年齢だからこそ楽しめるスタイルを追求することに喜びを感じています。薄毛に悩むことは決して恥ずかしいことではなく、これまでの人生を懸命に歩んできた証でもあり、そこから新しい自分へのケアを始めるきっかけになるのだと、同じ悩みを持つ女性たちに伝えたいです。年を重ねるごとに失われるものもありますが、それを補って余りある知恵や愛情で、自分の髪も心も豊かに育んでいけるのが60代という素晴らしい時期なのだと確信しています。これからも、無理をせず、自分のペースで、輝く毎日を彩るためのヘアケアを続けていきたいと思っています。
還暦を迎えて気づいた髪のボリュームの変化と心の葛藤